県庁18階展望台に登ると360度のパノラマが展開します。
西北には蔵王に連なる大東岳、面白山、泉が岳、船形の奥羽山脈が連なり、東南には太平洋の大海原、その間に、阿武隈川、名取川、鳴瀬川によって育まれた豊かな仙台平野が広がっています。広域仙台都市圏といわれる5市8町1村は、この豊かに広がる緑と水によって多様な文化・産業を育くんできました。
眼下には、県都仙台の市街地が広がっています。
歌枕として著名な宮城野の所在地であります。明治になってからは失恋の思いを胸に一時期を仙台で過ごした島崎藤村は、夕暮れ時ともなると遠く潮騒の音を聞きながら「心の宿の宮城野よ 乱れて熱き我身には…」と高らかに詠った日本近代史上不滅の名作「若菜集」発祥の地でもあります。
同時期、仙台二高の土井晩翠は「星落秋風五丈原」で知られる漢詩を駆使した雄渾な詩集『天地有情』を発表、また仙台出身の落合直文は近代短歌結社のはじめとされる「浅香社」を起こし、与謝野鉄幹らと歌文革新運動を行っています。
仙台はいま国際都市として大きく変わりつつあります。百万都市にふさわしい交通体系の整備やにぎわいを増しているサンモール一番町や中央通り、また、新たな産業の集積が進み都市にふさわしい収益性の高い園芸の振興も進んでいます。
市中心部の西側には緑濃い山があります。仙台の象徴青葉山です。
400年前仙台藩祖政宗が築城し、石垣に名残をとどめる仙台城址、三代の藩主の霊廟等の歴史と、最先端の研究を進める東北大学を始めとする学術研究機関の志向する未来が同居し、今後の宮城の発展を牽引することが期待されています。その向こう奥羽山脈の麓には、仙台の奥座敷といわれる作並、秋保の温泉があり、定義(じょうぎ)や二口(ふたくち)渓谷をはじめとする景勝地があります。
市の北部には宮城県図書館、宮城大学、産業技術総合センター、また宮城・白百合などの学園が整備され、人材の育成や産業技術の開発や支援に大きな期待が寄せられています。
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