トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
2004年10月26日


  
 さまざまのあはれをこめて梢吹く
         風に秋知るみ山辺の里    西 行
   周辺の雑木林も落葉し、風が吹きすさぶ季節を迎えました。森羅万象が厳しい冬の訪れに備え装いを新たにする季節、たくさんの渡り鳥が飛来する季節を迎えました。
 冬は登米の大地がもっとも華やぐ季節です。いたるところで繰り広げられる人と渡り鳥との交流は、忘れかけていた人と自然との関わり合いを蘇えさせてくれる大切なひとときでもあります。
 以前はいたるところで見られた人と渡り鳥との交流は、いまは限られた地域でしか見ることができません。多くの地域では大切な自然が失われ、渡り鳥が安心して過ごせる場所が少なくなったからです。この地域に住む人たちは身近に渡り鳥との交流を楽しむことができます。
 渡り鳥との交流を通して、私たちもこの自然界の一員であることを改めて実感したいものです。とかく殺伐とした風潮のなかで、私たちは自然界の一員として、生きとし生けるものに慈しみをもち、また優しい気持ちで接したいものです。
 いまこの地域にとって大切なことは、次代を担う人たちのために誇りをもって語れるふるさとの自然や伝統文化を残してやることではないでしょうか。そんな美しく豊かなふるさとの原風景を心にもつことによって、豊かな人生を歩むことができるのではないでしょうか。
 私たちの住むこの登米の地域がいつも生きとし生けるものすべてに優しく微笑み語りかける、そんな地域であり続けたいものです。