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みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
国立国会図書館長との懇談会
2007年6月9日


 
  
国立国会図書館長との懇談会
 6月7日(木)国立国会図書館で行われた国立国会図書館長と都道府県立と政令指定都市立図書館長との懇談会に出席した。朝早く「くりこま高原駅」から新幹線で東京へ。車中の2時間半は私にとっては貴重な時間である。有効に時間は使わなければならない。依頼されていた原稿の整理、次の講演の準備、結構このまとまった時間は有効なのだ。
 午後からの会議が開催された。新しい国立国会図書館長は慣例を破って民間から起用された学者である。穏やかな人柄の中にも強い信念が感じられる。各県の文化施設のトップが集まるだけに、中味のある議論が行われ自分もそんな一員であることを誇りに思う一瞬である。この日は私から宮城県図書館が進めている「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」について報告した。会議の後行われた懇親パーティーの席上、多くの皆さんから「感動しました」「刺激を受けました」と言われた。何かほっとする。
 パーティの後は、国立国会図書館の女性職員から夕食を予約されていた。彼女から某出版社の本に原稿を書かないかと勧められた。見たことのある専門誌である。もちろん原稿料はゼロ。その本に執筆することに意義があるのだ。すぐオケー。食事の後彼女は東京不案内の私のため、湯島の東京ガーデンパレスまで送ってくれた。いつもは平川町のホテルルポール麹町に泊まるのだが、あいにく満杯のため初めて泊まるホテルだ。私学共済の立派なホテルであった。彼女とはお酒は飲まなかったので一人で飲もうと思ったが、貴重な時間、校正に使いその夜はそのまま眠ってしまった。
 翌日は5時に起床、原稿の整理をし、7時にホテルを後にした。東京都立中央図書館で行われる会議に出席をするため。会議は10時30分から。図書館は有栖川公園内にある。8時に到着、2時間を公園で過ごした。美しい鳥の声を聞きながら池に泳ぐオシドリや亀を見ながら、しばしの静寂を楽しんだ。公園で静岡県立図書館長と会った。昨夜もいろいろ話をしたが、1時間近く話をすることが出来た。知性と教養にあふれる館長だけに悩みも多い。昨年京都に行く途中、静岡県立図書館で「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」について講話をし意見交換したこともあり、旧知の間柄だ。充実した時間を過ごし、会場へ向かった。
 会議終了後、地下鉄千代田線で山手線恵比寿に出て東京駅へ向かった。学生時代大井町から渋谷経由で大学に通っていたので、この辺の地理はある程度知っているが、当時とは比べものにならない。東京オリンピックが行われた年で、日本全体が高揚していた。今とは雲泥の差。町は大きく変貌を遂げている。石炭が主流の時代で、空気は澱んでいた。「川崎ゼンソク」とか「小繋事件」「佐山事件」などが注目を集めていた。学生運動も盛んで東大の講堂も占拠された。当時作った狂歌。「スモッグの夜空を見れば星はなく街頭だけが空しく光る」。東京駅で新幹線に乗った。さまざまな想い出が脳裏に去来する。くりこま高原駅が近づくに連れて、また忙しい日常生活に戻るのだなと思った。私の一人旅は終わった。