トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
わたしの歳時記ーその6
2007年6月14日


 
  
 この4月、息子が山形大学へ入った。浪人する予定だったが祖母が病気の渦中だったこともあったのだろうか、息子なりに考えってくれたのだろう。仕送りするお金がどれほど必要か見当がつかず別途通帳に入金し「足らないときはこれを使うように」と話していたが、使っていないようだ。コンペや友達との交際を考えるとどうも足らないという感じなので先日母親が「来月から送金をアップするから」と電話した。息子は「貧乏を楽しんでいるから、今までどおりでいいよ」と話していたそうだ。息子なりにいろいろ創意工夫をして生活をしているのだろう。それも将来のためにはいいか。
 わたしも心豊かに育つ環境には恵まれていたが、経済的には農地解放の影響などで苦しかった。でも夢や希望がもてる時代だったと思う。環境のなせる技か、いつも今の自分のおかれている環境について、古歌に思いを馳せる悪い癖がついた。
  世の中を憂しとやさしと思へども
     飛び立ちかねつ鳥にしあらねば 山上憶良
  世の中は空しきものと知る時し
     いよよますます悲しかりけり   大伴旅人
  万葉の歌人の歌である。こんな歌が脳裏に去来しないようにもっと前向きに生きねばならないと考える昨今である。