私は職員に対し「何事も恐れず果敢にチャレンジせよ」と挑発している。このような時代だからこそ未知の分野にも意欲的に取り組む姿勢が大切なのだ。それが求められている時代でもある。災いは全て福となす気概が必要なのだ。上に立つ者は惑いの姿などは見せていられない。
本館に働く職員は職種や職階に関係なく、新しいことに果敢に挑戦してもらっている。日常業務が大変なのは十分承知しているが、だからといってそれに忙殺されてだけいれば、自らの存立基盤さえ失いかねないそんな時代なのだ。それを断固としてはねのけるため、常日頃から怠りなく「鎧袖一触」の心意気で実力を磨いておかねばならない。
挑戦する意気込みは、何よりも自分の資質の向上にもつながる。
時には目星をつけた職員を個別に対話する。問「私に出来るでしょうか」。答「十分出来ます」。問「大丈夫でしょうか」。答「不可能ということはない」。こんな会話のなかで一つの企画にチャレンジする職員もいる。みな素晴らしい出来映えだ。終了したあとの清々しい表情からそれがうかがえる。今年は二十代の学校事務職員の女性が県民大学の講座にチャレンジした。大好評だった。昨年は初挑戦で「戦争と平和」テーマにした企画展を開催し好評を博した。今年はそれを素材に九十分の講座を立派にこなしたのだ。彼女は取材のため広島の被爆地を見て回った。一月には「大崎パレット」でも「戦争と平和」をテーマに講座を担当する。彼女も大きく飛翔することだろう。
県図書館はチャレンジ精神を持っている人とっては、切磋琢磨の道場だ。とかく予算削減のなかで閉塞感に陥っている昨今だが、本館には人類の叡智の結晶ともいえる書籍がある。 職員は先人が如何に果敢に新し時代を拓いてきたかをしっかりと学ながら、立ちはだかる困難に果敢にチャレンジしている。私も追い抜かれないようにしなければ、一瞬気持ちが引き締まる昨今である。
私の好きな心意気。
われこそは新島守よ隠岐の海の
荒らき波風心して吹け 後鳥羽院
私の好きな言葉。
この世で、私が幸福でなかったとしても、それは何であろう。生まれ る前、私は無で あった。 斎藤秀三郎(本県出身 斎藤和英辞典の著者)
(これは宮城県ホームページのメールマガジンへ掲載したものである)
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