6月22日、仙台国際ホテルで開かれた『慶長遣欧使節帰国400年記念式典』に招待された。コロナの時節柄、人数も限定された。主催は慶長遣欧使節協会。会長は宮城県知事、代表理事は河北新報社主、多数の国会議員・県会議員・経済界代表も集まった。私は仙台藩志会会長としての出席である。記念式典、シンポジウム、レセプションの三部構成である。厳粛な記念式典の最後は。聖ウルスラ学院英知高等学校生徒の渡部友賀君の『青少年の言葉』で熱い思いが語られ、式典は厳粛なうちに終了した。
パネルディスカッションが行われた。仙台伊達家当主伊泰宗氏による『伊達政宗公にとっての慶長遣欧使節』、元仙台市博物館長佐藤憲一氏からは『支倉常長の帰国』、長崎協会管区大司教高見三明氏からは『慶長遣欧使節とキリシタン』、東北大学吊誉教授平川新氏からは『慶長遣欧使節の世界史的意義』について、それぞれの立場から意見が述べられた。コーディネータは、慶長遣欧使節船ミュージアム館長濱田直世嗣氏で、意義有る話を多く聞くことができた。
会場を移してのレセプションでは挨拶・乾杯祝宴に入り、仙台フィルハーモニー管弦楽団により美しい曲が奏でられた。時節柄、乾杯なし、お酌はしないでの静かな祝宴であった。
スピーチを求められ、私は次のようなスピーチをさせてもらった。
『仙台藩志会を代表しスピーチさせていただきます。復元船サン・ファン号が、勇壮な姿を私たちの前に現し30年、多くの人たちに、夢と希望と勇気、遙かなるロマンを与え続けてくれました。子供はもちろん大人も限りなく冒険心をかき立てられたのではないでしょうか。みな目をキラキラ輝かせ夢を大きく膨らませてもらいました。復元船サン・ファン号が、大切な役割を立派に果たされましたこと心から感謝申し上げます。また、本日記念式典等の準備にお力添えをされた皆様、シンポジウムで熱く思いを語られたれた先生方、青少年の言葉、賛歌と朗読で鮮烈な彩りを添えて頂いた皆様に心から敬意を表するものであります。 新しく生まれ替わる復元船サン・ファン2世号、初代サン・フアン号船に負けないよう多くの皆様に、夢と勇気とロマンとを与え、先人の偉業の顕彰と地域の振興に大きな役割を果たすこと期待し、スピーチと致します』。
私にとってはコロナ問題が浮上して初めての、大きな集まりへの参加であった。会場のコロナ対策は徹底していた。設営する側も命がけなのだ。万が一クラスターなどを発生させてしまったら、大きな打撃を受けることは必定。検温、消毒などは徹底的になされた。挨拶、パネラーなど変わる都度、マイクが変えられテーブルが拭かれるなど、会場の管理運営には万全な態勢がとられた。ホテルの職員の緊張している態度がひしひしと伝わってきた。そんなことを目の当たりにし、コロナ以前の何もなく平凡な生活の貴重さをかみしめながら会場を後にした。
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