トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
四季彩彩−登米地域讃歌− 花と緑の回廊
2003年1月25日


  大空は海の匂いに霞みつつ
     曇りも果てぬ春の夜の月 (新古今和歌集 藤原定家)

 登米地域の春の訪れは、北国の大使たちが帰郷し、大地に温もりが蘇り、万作や梅の花が咲き乱れときから始まります。雪解け水が北上川や迫川に流れ込み早春の雨が大地を潤し、草木が一斉に萌える季節。山や水辺に生きとし生けるものたちが一斉に目覚め、躍動を開始するのです。人目に触れることの少ない奥山にも華やぎが添えられる四季の始まりです。

  見る人のなき山里の桜花
     ほかの散りなんのちぞ咲かまし(古今和歌集 伊勢)

 日がな一日、田の畦道に佇み、あるいは山の小道の自然の草木の美しさにも心をとどめ、自然の一員としての自分の存在を再確認してみるのも大切なことです。

 桜の名所は、鹿が城公園・草分け観音堂・兵糧山公園・長沼フートピア公園・山王の桜(迫町)、日根牛の桜並木(登米町)、杣荷公園・三滝堂公園(東和町)、長谷寺の紗那桜(中田町)、笑沢桜公園(豊里町)、平筒沼ふれあい公園(米山町)、昌学寺のしだれ桜(石越町)、大嶽山(南方町)が知られています。
 米山町のチューリップ、南方町の花菖蒲、迫町新田のジャーマンアイリス・石越町チャチャワールドのアジサイなども季節に彩りを添えてくれます。
 7月中旬から8月にかけての伊豆沼・内沼に一面に咲くハスの花は、まるで弥勒菩薩のおわすという兜率天の浄土の世界に私たちを誘ってくれます。

  咲きしより散るをならひの花ながら
     おくるる春は悲しかりける (伊達政宗)