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みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
ミツバチの文化史−1
2025年8月30日


 

1 蜂蜜の歴史は人類の歴史
蜂蜜は人類の黎明期から人類とは切っても切れない関係を築いてきました。1919年スペインのパレンシヤ付近のマラニヤという洞窟で、一万年前の採蜜風景が描かれた壁画が発見されました。カゴを持った女性が片手でナワ梯子を握って天然の洞穴まで登り、ミツバチがブンブン飛び回っているなかで蜂蜜を取ろうとしています。目的は蜜酒をつくることにあったと考えられています。この時代の絵画や彫刻は、芸術的な意図で描かれたものではなく、描かれた画や彫刻に向かって豊猟を祈るという呪術的な意味が込められており、すでに蜂蜜が人類の生活の中で大きな地位を占めていたと考えられます。
2 王位のシンボル・ミツバチ
    養蜂の発祥はエジプトと考えられ、今から5千年前の第一王朝以来、ミツバチが王位のシンボルとして扱われました。ミツバチの団結力と女王バチの統率力は、古代エジプトの人々は理想と考えて女王バチを王位のシンボルとして選んだのでしょう。女王バチは壁画などには単独では出てきません。ナイル川に茂る紙の原料となるパピルスとともに描かれており蜂蜜とパピルスは古代エジプトにとっては最も大切なものでした。 3 蜜酒
  濃度の低い蜂蜜や飲み残した蜂蜜に水滴が入ると発酵し、蜜酒になります。古代社会は祭式を中心に動いていたので、蜜酒は祭式と深く結びつき、蜂蜜の徹底的な神聖視が始まりました。
4 イソップ物語に見る蜜蜂
 「ミツバチどもが自分たちの蜜を人間にやるのを惜しんで、ゼウスのところへ行って神様に巣に近づいて来る者をその針で刺し殺す力を自分たちに与えて下さるように願いました。するとゼウスは彼らに人を害する心のあるのをお怒りになって、彼らが人を刺すときには、いつもその針を失って命をなくするようにしてしまわれた」 この物語から刺針を失ったミツバチが生命を失う事実を当時のギリシャ人が知っていたのです。
5 蜜月(ハネムーン)の語源
    紀元前三世紀にピュテアスという人がゲルマンの習俗について書いている報告の中でゲルマンの部族のあいだには蜂蜜でつくった酒が愛好されているという記事があります。いわゆる「蜜月」つまりハネ―ムーンというここから出ており結婚後30日間は蜂蜜でつくられたお酒を飲む習慣があったといわれます。蜂蜜は滋養強壮によく、そして子宝に恵まれると信じられていました。「蜜 酒をひと月飲んで夫婦で過ごした」という古代ゲルマン民族の習慣が語源となっているといわれています。